労働保険

経営者が押さえておくべき労働保険の重要ポイント

労働保険

労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の2つの保険のことですが、保険料の納付などは一体として取り扱われます。労働保険は、パート・アルバイト含み従業員を1人でも雇用していれば、農林水産の一部を除き業種・規模を問わず労働保険の適用事業となります。そのため、経営者は労働保険への加入手続きを行い労働保険料を納付しなければなりません。経営者として避けて通れない労働保険の重要ポイントについて解説します。


労災保険とは

労災保険とは、業務中または通勤中に従業員が災害・事故や病気で、負傷したり障害が残ったり死亡したりしたときなどに、従業員またはその遺族に対して保障する保険のことです。

原則、従業員を1人でも雇用している事業所は、事業を始めた日から強制的に労災保険の適用事業所となります。ただし、従業員が5人未満の個人事業の農業・水産業、常時使用する従業員がいない個人事業の林業を営む事業所は適用事業所とはなりません。また、個人事業主や法人役員(兼務役員は除く)と事業主と同居する親族の従業員は労災保険の適用外です。なお、中小企業の事業主などであれば「特別加入制度」を利用すれば、労災保険に加入できます。

労災保険は原則、正社員、パート・アルバイト、日雇いなどの雇用形態に関係なく、会社から賃金の支払いを受ける従業員はすべて労災保険の適用を受けられます。


雇用保険とは

雇用保険とは、失業したときのほか、教育訓練、育児休業、介護休業したときに給付金がもらえるほか、高齢者が継続して働くとき一定の条件を満たせば給付金がもらえるなど、従業員の雇用の安定や促進を目的とする保険のことです。労災保険と異なり、雇用保険に加入が必要な条件は、1週間の労働時間が20時間以上で、31日以上雇用される従業員です。パート・アルバイトもこの条件を満たせば雇用保険に加入させなければなりません。


労働保険に関する経営者が押さえておくべき重要ポイント

  1. 主に中小企業を対象とした給付金の活用
    雇用保険は、従業員に対する給付金だけでなく、主に中小企業を対象としたさまざまな助成金や給付金が支給されます。たとえば、従業員のキャリアアップを支援する「キャリアアップ助成金」や高齢者・障害者・母子家庭の母親などの就職困難者を雇用した会社に賃金の一部を補助する「特定就職困難者雇用開発助成金」などがあります。多種多様な助成金や給付金があり経営負担を軽くし雇用の安定を図れます。
  2. 加入が不要な労働者の保険料負担を軽減
    労災保険と異なり、雇用保険は雇用契約内容によっては加入の必要がありません。業務によっては雇用契約を見直すことで雇用保険の保険料の負担を軽くできます。また、加入資格のない従業員を加入させないようにしなければなりません。
  3. 労働保険・社会保険への加入日の原則は入社日
    入社にあたって試用期間を設けていても労働保険・社会保険への加入日は入社日に行う必要があります。試用期間中は加入させる必要がないと思うのは間違いです。特に雇用保険は、入社後1年経過して退職する労働者がいると試用期間後に雇用保険に加入させると、その従業員は失業給付を受けられない可能性があり大きなトラブルに発展します。雇用保険の失業給付は1年以上の勤務が必要なため、3カ月の試用期間後に雇用保険加入させると、その従業員が1年3カ月以内に退職すると失業給付が受けられなくなります。
  4. 労災保険に加入していない労働者の労災事故が負担大
    労災保険に加入していなかった従業員が労災事故を起こすと給付の申請は可能ですが、さかのぼって保険料を納めなければならないほか、違反金も支払わなければならず負担が大きくなります。
  5. 労災保険は事業の種類によって保険料率が異なる
    労災保険加入時に労働基準監督署による詳細の確認が行われますが、保険料率が大きく異なるので経営者としても確認が必要です。
  6. 労働保険のも手続き事業所に対する罰則強化
    労災保険未手続き事業所に対する罰則が強化されています。決して保険料負担逃れをしてはいけません。

まとめ

労働保険(雇用保険・労災保険)について保険の概要と、経営者が押さえておくべき労働保険に対するポイントについて解説しました。加入条件の有無や助成金・給付金の活用など専門家に相談しアドバイスを受けた方が良い場合があります。会計事務所スタートラインでは、経営者にとって最適な労働保険の活用方法と保険料負担軽減のアドバイスが、親切&丁寧、スピーディに得られます。まずは相談されることをおすすめします。