皆さんは金庫株という言葉をご存知ですか?今回は、金庫株のメリットとその概要についてセンセイと解説していきます!
アオイ
大手商社の受付として5年勤めたが、個人としての経験を積んでみたいと、3ヶ月前にフリーライターとして開業。大学の先輩にあたるタクヤに相談を持ちかけ、個人として必要なことを日々勉強中。
タクヤ
父の会社に勤めていたが、3年前に個人としてスタートし、1年前に法人化を果たした。経理に関する知識は一通り身についているが、まだまだ細かいことが分からないのでセンセイにお世話になっている。
センセイ
品川区にある会計事務所スタートラインで活躍する会計のエキスパート。またタクヤの顧問税理士でもある。今回はアオイとタクヤのために人肌脱ぐことになり、正確かつ迅速に受け答えを展開していく。
いや〜〜、全然知らないな。
僕も初めて聞いたな。
皆さんにとってはまだあまり関係ないかもしれませんが、これからの日本にとって重要な話なので皆さん聞いてくださいね!
Contents
金庫株とは、簡単に言うと「自己株式」のことです。
ん?だったら普通にそう呼んだらいいんじゃないの?
確かにそうなりますよね。ここで言う「自己株式」の金庫株というのは、「保管する」というニュアンスからそう呼ばれるようになったんです。
保管するから金庫株ってことね。
昔は自社株の買い戻しは自由にできず一定の目的に限定されていました。しかし2001年の商法改正以降は、取得目的・時期・回数に制限開く自由に買い戻して保有できるようになって、注目され始めたんですね。
金庫株は自己株式のことを言い、自社で保有することが由来している。2001年に商法改正されてからは、各企業は自由に取得あるいは保管が可能になった。一見保管しているようなイメージから、「金庫株」と呼ばれるようになった。
でも、なんでそんなことをする必要があるの?
よくあるケースは相続ですね。
皆さん、日本の経営者の平均年齢っていくつかご存知ですか?
ん〜〜、50とか?
最近は若い人も起業してるし、43とかじゃないかな!
実は、日本の経営者の平均年齢は61歳なんですよ。
えー!たっかーい!!
平均が還暦を超えているのか(汗)
そうなんですよ。なのでこれから日本では「相続における事業継承」は1つの大きなテーマになるんですね。そこで金庫株です。
金庫株を活用することで相続時に自社の株式が事業を全く知らない人たちに渡ってしまわないようにすることができるんです。
株が飛び火するようにいろんな人に相続されたら困るもんね。
事業継承もしくは会社の相続を行う際に、相続税が課せられます。その時の対策として有効なのがこの金庫株です。
例えば、Aさんが経営する会社があったとします。突然Aさんが亡くなり、残った遺族にAさんが保有していた自社株式を譲渡することになると、その行為に対して相続税が発生します。その税率は最大で55%になります。これでは遺族への負担が大きいです。
しかし、もともとAさんの会社で発行された株式なので、金庫株として自社株買いをすることにより、一律20%(所得税15%+住民税5%)にまで負担を減らすことができます。ただし、これには条件があります。
この2つの条件を満たしたときに特例扱いとされ、所得税負担を軽減することが可能となります。
要するに「自社株買い」のことを指します。自社株を購入することにより、企業は発行済み株式数を一部取得することになります。その一部を企業は金庫株として保管します。これにより、市場に出回る株式が減るので、一株あたりの価値は上がります。しかし、再度市場に流通することを考えると、下落のリスクがあります。
そこで企業は金庫株の消却をすることもできます。自己株式の消却をすることにより、発行済み株式が減ることで今後世に出回ることはないため、一株あたりの価値は高いまま維持をすることができます。これは企業買収に対する防衛策にもなります。
ただし自己株式の消却にはデメリットも潜んでいます。株式を消却処理するということは、企業の資本金を減らすことを意味します。そうなると、企業規模が縮小するのでその後の株価の上昇は難しくなります。
企業のモチベーションアップに繋がることは間違いありません。会社としては安定した株主の確保、節税対策、業務改善などに期待が持てます。一方、社員にとっては賞与や退職金といった福利厚生の充実が挙げられるでしょう。
企業を買収する際に、自己株式を対価とすることができます。これを株式交換と言います。買収サイドの企業は、売却サイドの企業の発行済み株式を全て取得するため、買収後は完全に子会社化するM&Aでなくてはならない。
今日は金庫株について勉強しましょう。皆さんは金庫株についてご存知ですか?