今回は、起業の際に必ず必要な「資金」の問題についてセンセイに解説してもらいました!補助金や助成金など、一挙に紹介します!
アオイ
大手商社の受付として5年勤めたが、個人としての経験を積んでみたいと、3ヶ月前にフリーライターとして開業。大学の先輩にあたるタクヤに相談を持ちかけ、個人として必要なことを日々勉強中。
タクヤ
父の会社に勤めていたが、3年前に個人としてスタートし、1年前に法人化を果たした。経理に関する知識は一通り身についているが、まだまだ細かいことが分からないのでセンセイにお世話になっている。
センセイ
品川区にある会計事務所スタートラインで活躍する会計のエキスパート。またタクヤの顧問税理士でもある。今回はアオイとタクヤのために人肌脱ぐことになり、正確かつ迅速に受け答えを展開していく。
今は起業する人増えてきてるし、結構いるんじゃない?
でも起業したくても、資金集めがね…
資金の問題はネックだよね。
そうですね。
ただ、その資金も必要最低限の金額さえ満たせば誰でも企業できることはご存知でしょうか?
必要最低限ってどのくらいなの?
それでは今回は、起業をするために必要な資金の額と事業をするために必要な資金の調達方法をご紹介します!
お金がないから起業なんて夢のまた夢だよとお考えの方はぜひこの記事を読んでみよう!
Contents
起業のために必要な資金は事業によって大きく異なります。
例えば、店舗のいる事業といらない事業ではその必要資金は違いますよね?
また、事務用品や交通費などの経費も大きく変わってくることでしょう。
ただ、起業では避けて通れない必要なお金があります。
それは設立にあたって行政に支払わなければならないお金です。
それでは、起業で必ず用意しなければならない資金を個人事業主と法人別でご紹介しましょう!
個人事業主は、税務署に開業届を提出するだけで起業できます。
すなわち、起業のための資金は0円です。
ただ、事業資金はなんのビジネスをするかによって初期費用が大きく異なります。
例えば店舗を開業するような事業だと必要額は数千万円にのぼることもあり、対してネットビジネスのように資金が必要のない事業もあります。
法人設立のためには、定款を作成し、法務局へ登記する手続きが必要になります。
定款とは、会社の住所などの基本情報や指針といった
「活動に関する根本となる基本的な規則」を示しており、個人で言うところの住民票のようなものです。
定款を作成してから提出するまでにかかる費用は、以下の表の通りになります。
株式会社設立にかかる費用 | 金額 |
定款公証人手数料 | 50,000円 |
定款印紙税 | 40,000円 |
登録免許税 | 150,000円 |
印鑑 | 見積もり次第 |
資本金 | 1円 |
合計 | 240,001円 |
※謄本交付料などは少額のため省く
定款公証人手数料の50,000円は、定款に記されている基本事項を公証人と呼ばれる公務員に認証してもらう際に発生する手数料です。
印紙税法上で、定款には40,000円の印紙税が必要になります。
ただ、紙ベースで定款を提出しない電子認証定款の場合には印紙税を納める必要がありません。
登録免許税は、会社の登記に課せられる税金で、資本金の額によって納める税金が異なります。
資本金の額が2,143万円未満ならば150,000円で、2,143万円以上ならば資本金×0.7%が納める税金になります。
定款には印鑑が必須になります。
そして、起業にあたっては以下の4種類の印鑑を作るのが一般的と言われています。
・実印(丸印)
・銀行印
・住所印(ゴム印)
・社印(角印)
会社法の改正で、資本金が一円以上であれば株式会社を設立できます。
ただ、実際には、事務用品や事務所の家賃など一円で足りないことがほとんどです。
資本金が一円でも起業できるようになってるのはすごいよね
実際にはそうもうまく行かないけどな
店舗をもつような会社を起業する場合は店舗を借りたりするのでもっと高くなりますね
まあ最初は店舗を持たない方がお金はかからないね
起業をするために必要な資金は以下の通りです。
・個人事業主の場合は0円
・法人(株式会社)の場合は240,001円
しかしながら、これだけお金があれば事業ができるというわけではありません。
士業をするためには、運転資金が必要ですし、設備の購入や名刺を作成するための経費などもかかります。
そのため、どの事業をするのかを事前にしっかりと決め、必要最低限の資金を用意できるような準備をしていきましょう。
起業して事業を開始するには莫大な資金が必要です。
一説によると、店舗を必要とする事業は開業するだけで数千万円近くのお金が必要と言われています。
もし、あなたが長年サラリーマンをしていて、満を持して開業する場合は心配いりませんが、中には事業アイディアはあるけど、お金がないために起業できないという人もいることでしょう。
以下では、そんな人のために必要最低限の資金を調達するための方法を説明します。
親戚や友人を通してお金を借りる方法です。
ただこの方法は借りたお金を返せる自信があるならば問題ありませんが、返せなかった場合、交友関係に傷がつく恐れがあります。
ただ、個人的にお金を借りる手法は、時間も手間もかからないため最も簡単な資金調達方法です。
起業時に融資を受けることを創業投資と言います。
創業投資では、経営者の返済能力を判断できないため融資を断られることが多くあります。
そして、何より返済期限が決まっているのが辛いところですね。
できることなら返済猶予のないところから資金調達をしたいところです。
事業が有望であなたに発信力がある、もしくはあなたの知り合いが経営者をしている場合、出資を期待することができます。
出資金は、銀行から融資を受けることと違い返済義務がありません。
そして、出資会社からのサポートを期待できるところは、大きなメリットですよね。
助成金も補助金も国や地方自治体から支給されるお金で、特徴として返済する必要がありません。そのため、手に入れることができたらこれほど心強いお金はありません。
助成金は一定の条件を満たしていれば必ず支給されるお金で、対して補助金は期間内に応募して選ばれると支給されるお金です。
以下では、支給元毎に分けて補助金と助成金をご紹介します。
経済産業省系の補助金の中には、起業促進を目的として交付しているものがあります。
補助金は応募制のため、採択されない可能性もありますが、採択されれば起業の力になってくれます。なお、採択率は、制度によって異なりますが、だいたい数%から80%程です。
厚生労働省系の助成金は、雇用促進や雇用の安定性の向上を目的として、会社に給付するお金です。
そのため、起業したばかりの会社は助成金を利用しづらく、どちらかといえば軌道に乗り始めた会社が利用するような制度ばかりになります。
地方自治体の提供してくれる補助金や助成金は、地方によって制度に大きな違いがあります。
また、しっかりとサポートをしてくれる地方もあれば、そうでない地方もあります。
そのため、起業前には地元の制度をしっかりと確認することが必要ですね。
公官庁や地方自治体以外にも公益財団法人や大手企業、政府系金融機関など、補助金や助成金を交付している場所は多くあります。
ただ、どこも採択率は低く、優秀な事業プランを提出するためには時間と労力がかかります。
しかし、採択された場合、大きな力になってくれるのは間違い無いでしょう。
起業のための資金は個人事業主と法人の場合で異なります。また、そこから何の事業をするかによって、必要な資金総額が異なることでしょう。
お金がある場合は、そのお金を事業に投資すればいいね!
そうだね、お金がない場合は足りない場合は、何かしらの方法で資金を調達しなければいけないね
その際は、補助金や助成金のような返済の必要性がない資金を調達するのを優先しましょうね!
そうね、足りない分を融資や出資でまかなうようにしましょ!
将来起業をしたいと考えている人はいませんか?