今回は不妊治療助成金と医療費控除についてです。不妊治療には高い費用がかかる一方、少子化対策として、助成金や控除が適用されることになりました。今回はセンセイにこの2つの優遇措置について説明していただきます。今不妊治療をするか迷っているご夫婦の方達にぜひ読んでいただきたいです!

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アオイ

大手商社の受付として5年勤めたが、個人としての経験を積んでみたいと、3ヶ月前にフリーライターとして開業。大学の先輩にあたるタクヤに相談を持ちかけ、個人として必要なことを日々勉強中。

タクヤ

父の会社に勤めていたが、3年前に個人としてスタートし、1年前に法人化を果たした。経理に関する知識は一通り身についているが、まだまだ細かいことが分からないのでセンセイにお世話になっている。

センセイ

品川区にある会計事務所スタートラインで活躍する会計のエキスパート。またタクヤの顧問税理士でもある。今回はアオイとタクヤのために人肌脱ぐことになり、正確かつ迅速に受け答えを展開していく。

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「妊娠したいけど、不妊治療は高そう」と考えているご夫婦はいらっしゃいますでしょうか?


あ〜不妊治療は高そうだよね。


不妊治療が高いと思われている考えはまちがいないよね。


そうですね。不妊治療は厚生労働省で疫病と認められていないので健康保険適用外で、かつ病院によっては、不妊治療に30万円近い費用がかかるからです。


たっか!少子化だって言ってるのに不妊治療にそんなお金かかってたらどうしようもないじゃんね


そうなんです。しかしこのままでは少子高齢化に拍車がかかると考えた日本は、不妊治療に助成金や税制での優遇措置を考えました。それが今回紹介する不妊治療助成金と医療費控除です。


そんなものがあるんだね


はい、今回は不妊治療を考えているご夫婦へ不妊治療助成金と医療費控除の使い方を紹介します。どちらも申請しなければもらえないお金になるので、きっちり申請して医療費の負担を減らしましょう。


はーい!それじゃあいってみよう!

不妊治療費の医療費控除は可能?

不妊治療費の医療費控除は可能です。しかし、医療費控除によって得られる税金の優遇は「不妊治療助成金」と「不妊治療費」の差額が大きいほど、多額になります。
したがって、もし差額が大きければ医療費控除を受けることをお勧めします。

さて、それでは医療費控除によって優遇される税金の計算式は以下になります。

医療費控除とは?医療費控除の計算式

医療費控除とは、国税庁の定義する概要は以下の通りです。

その年の1月1日から12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を越える時は、その医療費の額をもとに計算される金額(下記3参照)の所得控除を受けることができます。これを医療費控除と言います。

なお、文中の(下記3参照)は以下の通りです。

医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
(実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額
(1) 保険金などで補填される金額
(2) 10万円

(参照元:国税庁医療費控除

難しく書かれていますが、医療費控除とは確定申告を通して行う税金の減額措置です。医療費控除の計算はわかりづらいのでたとえを使って解説します。

    例えば、不妊治療に45万円かかり、不妊治療助成金を30万円受け取った場合は、所得税率を8%で考えると4千円になります。

  • (45万円−30万円)~10万円=5万円
  • この5万円が所得から差し引かれるので、実際に税金から減額される金額は所得税率を8%で考えると4千円になります。

  • 5万円*8%=4千円

所得税率については、個人の所得に応じて決まるので、ご自身の所得税率がいくらになるのか以下のURLから確認してください。


なお、所得の確認の仕方は、サラリーマンの場合、年末調整でもらえる源泉徴収で、個人事業主の場合確定申告書になります。


(参照元:国税庁所得税の税率

医療費控除は、実際に掛った不妊治療費から助成金を差し引いた差額が小さければ、申告しないほうがよいでしょう。


なんで?


なぜなら、還付されてくる税金以上に確定申告の処理が面倒だからです。


まあでももし数千円でも還付が欲しければ、後学を兼ねて確定申告をしてみるのも勉強になるかもね!


そうですね!

医療費控除を受ける条件と対象となる費用

医療費控除は、医療費の総額が大きくなればなるほど、税金の優遇を受けられます。
しかし、受けるためには、もちろん条件があります。その条件は、以下の通りです。

  1. 納税者が配偶者と親族のために払った医療費であること。
  2. その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費であること
  3. 医療費総額から不妊治療助成金を差し引いた差額が、10万円を超えていること

以上、3つの条件を満たしていることが、医療費控除を受けるために必要です。
※3の条件は、今回の不妊治療の医療費控除にのみ追加される条件になります。

医療費控除の申請方法

医療費控除の申請方法は、医療費控除に関する事項を記載した確定申告書を所轄の税務署長に提出することです。
また、電子申告のe-taxも受け付けているので、税務署にいかずとも自宅のパソコンで申告書を提出することができます。

申請に必要なものは…?

医療費控除の申請に必要なものは、以下の通りです。

  • 確定申告書
  • 医療費控除明細書もしくは健康保険組合から発行された医療費通知
  • 給与所得の源泉徴収票

注意点ですが、まず、確定申告は2月から3月にかけてする手続きになります。

次に、医療費控除明細書を作成する場合は、医療費の領収書を見ながらの集計になります。
その際に使用した領収書の原本は、5年間は保管義務があるので必ず残しておくようにしましょう。

最後に、給与所得の源泉徴収表ですが、サラリーマンの場合は年末調整後に手に入る書類になるので、捨てずに残しておきましょう。

次は不妊治療助成金についてお話ししていきます。次ページを見てみましょう!


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