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さて、法人企業の税金はどんな方法で節税を行うと「良い節税」になるのでしょうか?
節税項目ごとに一つ一つ解説をしながら紹介していきます。
社長自身の報酬には給与所得控除という給与所得ならではの所得控除が使えます。
この所得控除をうまく使い、会社にかかる法人税学と社長個人にかかる所得税額が最小となる金額を設定留守ことにより、「良い節税」を行うことが可能です。
また、生計を一にする親族がいる場合は、その方を役員とし役員報酬を支払うことで、同一生計に対して報酬を分散して受け取ることでさらなる節税効果を得ることが可能です。
損金算入が認められるためには、役員報酬は事業年度開始から3月以内しか変更ができませんので先を見越した計画が必要になります。
小規模企業共済とは、中小企業基盤整備機構機構(以下 中小機構)という独立行政法人が運用している保険制度です。
こちらは社長自身の退職金の積立を行うための保険制度で、社長個人の所得税の所得控除の計算に年間84万円までの範囲で含めることができるものになります。
こちらの掛け金の金額を考慮した上で、先に解説した役員報酬の金額を設定すると効果的な節税対策となります。
中小企業倒産防止共済掛金とは、小規模企業共済と同じく中小機構が運用している保険制度で、取引先の会社が倒産等の理由でなくなってしまった場合に、掛け金の10倍まで(最大掛け金800万円まで)の貸付を受けることができるというものです。
中小企業の場合、主要な取引先が中小規模の場合が多いため、突然取引先の会社がなくなってしまうリスクが常に存在しています。そのリスクに備えつつ、税金の負担を抑えることができるという意味で、中小企業倒産防止共済掛金は非常に重要性が高い保険です。
中小企業退職金共済とは、中小企業退職金共済本部という国営の機関が運用している保険制度で、掛金に応じて従業員が退職した際に、会社に変わって退職金を支払ってくれるという保険制度です。
こちらの保険制度では掛金の全額が損金として認められるほか、国が運営する機関なだけあり、最初の1年間は掛金の一部に対して国からの助成が受けられる制度もあります。
従業員の退職金の資金繰りにも効果的な節税対策になりますので、積極的に採用したい節税対策の一つです。
法人保険とは、法人向けの役員・従業員に対する生命保険・医療保険をさします。法人保険の掛金はその全額が損金になるとは限らない(保険の種類によって全額損金・1/2損金・1/3損金に分かれます)のですが、従業員の福利厚生に重きを置いた場合には従業員退職の際の解約返戻金を退職金に充当することにより、資金繰りの効果が期待できます。
ただし、従業員の福利厚生を重要視しない場合には節税の効果は期待できませんので注意が必要です。
もうこれだけでも十分節税できそうね!
そうだね、そのほかのも早くききたいね。
ではいきましょう!
これは中小法人が社長個人と切っても切れない関係である場合が多いことを前提とした節税対策です。
先に解説したのは、法人保険の加入は、役員や従業員に対する福利厚生や退職金積立の意味合いが強いのですが、社長個人の保険加入はまた別の意味合いがあります。
中小法人の場合、社長にもしものことがあった時に経営が即座に破綻してしまうということが多く見受けられます。その場合、会社をたたむためにもキャッシュが必要になりますし、相続税も発生してきます。このようなリスクから家族や従業員全体を守るために万が一のリスクに備えながらも、節税対策にも役立てましょうというのが趣旨になります。
保険でリスクを抑え、その分会社にキャッシュを投入できることを考えると、効果的な節税対策と言えるでしょう。
こちらも福利厚生を狙った節税対策項目です。
会社の利益に準ずる形の賞与を 従業員に支払うことによって、モチベーションの向上に伴う生産性の向上・優秀な人材の流出を防ぐ効果も期待できます。
また、役員報酬の設定に対して会社の利益が出すぎた時も有効な節税対策になります。
ただし、こちらもキャッシュが出て行く節税対策ですので、節税のみを目的とするなら効果的とは言えません。
決算賞与が損金として認められるためには、全従業員に対して期末までに支給額を通知し(通知したことがわかる書類が必要になります)、期末から1ヶ月以内に支給することが要件になるため、早めの準備が必要です。
売掛金元帳をチェックした時に、回収できないものや回収が難しいもの(催促するとトラブルになりそうなものを含む)はありませんか?
そのような不良債権を整理して貸倒損失として処理することによって、費用とすることが可能です。キャッシュの流出をともわない節税対策ですので、該当する場合は積極的に取り入れましょう。
ただし、法人税法上損金として認められるためには債権放棄の手続きが必要な場合がありますので注意が必要です。
少額減価償却資産の特例とは、取得価格が10万円以上30万円未満の資産を取得した時に、減価償却せずに購入時の費用として計上できる制度です。資本金の額が1億円以下の法人であれば、300万円までの少額減価償却資産に対してこの特例の適用を受けることができます。
例えば、営業車を購入する際に、カーナビ等のオプション品をつける場合があるかと思います。これは、車体の購入時にオプションとして設置すると、車両の取得価格に含まれるため車体と一緒に減価償却しなければならず、費用計上の対明が遅れてしまいます。
しかし、車両本体を購入した後で、カーナビなどのオプション品を購入・設置すれば、その分は一括で費用として処理できる場合があります。
ただし、営業車の運用に欠かせない装備である場合には認められない可能性があるため注意が必要です。
このように同時に購入するのか分けて購入するかという違いだけで、費用計上できる金額が変わってくる場合があります。
やっぱり節税って、自分の会社のお金を使って税金の額を減らしたりもするから、色々考えどころだよね。
まあ節税しようとしていきすぎたら、脱税になっちゃうからね
じゃあ残り6個!一気にいきましょう!
減価償却資産を購入した場合、その資産の種類に応じた法定耐用年数で減価償却していくことになるのですが、同じ種類の資産であっても中古品の場合は法定耐用年数が短く設定されている場合があります。資産を購入する時に中古品を選択するだけで費用計上のタイミングを早めることができる場合もありますので、資産購入の際はぜひ検討してみることをお勧めします。
減価償却資産として資産計上されている資産で、まだ帳簿価格(未償却価格)が残っている資産でもう事業に使っていないものはありませんか?
そういった資産は積極的に売却もしくは除却(破棄したり倉庫にしまったり、帳簿から除外すること)しましょう。売却の場合は売却価格が未償却価格を下回った金額が除却した場合は未償却価格の全額が費用として計上できます。こちらはキャッシュの流出をともわない節税対策ですので積極的に活用していきましょう。
出張手当とは、出張の費用を概算で計算して支給する実費弁済の性格を持っています。
例えば社長が出張に行き、この手当をもらっても所得税の課税対象にはならないばかりか会社の費用となり、消費税状の課税仕入れにも該当します。通常必要と認められる金額でなければなりませんが、経費精算の処理が簡素化できる等のメリットもあるため積極的に取り入れたい節税対策です。
ただし、出張手当を支給するには「出張旅費規程」を作成し、その規程に該当する場合は全従業員に対して一律に出張手当を支給する必要があることに留意してください。
通常、健康診断は個人が各自で受けるものであるという考えから、会社の費用にはなりません。
ところが、会社全体で健康診断を受ければ福利厚生費として費用計上できます。ただし、費用計上するためには特定の役員や従業員に限定してはならず、一律に健康診断を受けさせなければならないことに注意してください。
しかしながら、必ずしも全従業員に対して健康診断を受けさせる必要はなく、ある一定の年齢以上の従業員に対して実施するなど一律に条件を定めることであれば可能です。
こちらは従業員に対する福利厚生が前提になった節税対策ですので、福利厚生を目的にしないのであれば効果は期待できません。
小売業など多くの在庫を抱えている会社に効果的な節税対策です。原則として決算時、会社が抱えている在庫に対して評価損を計上することができません。
しかし、災害等で損傷した場合・著しく陳腐化してしまった場合・棚ざらし品質変化が原因で通常の方法による販売が困難な場合には評価損として経費にすることが可能です。
陳腐化というのは、アパレル業界などでよくある、流行が過ぎてしまったものなどが当てはまります。こちらはキャッシュの流出がともわない節税対策ですので、当てはまる場合には積極的に活用していきましょう。
決算期と繁忙期が重なっている場合に効果的な間接的節税対策です。
決算期は決算の処理だけでなく、当期や来期の節税対策について選択・決定するのにも非常に重要な時期です。
この時期に繁忙期を迎えるような場合、業務多忙でそのような重要な決定を行えず、せっかくの節税対策を行うチャンスを逃してしまいます。
担当の税理士との入念な話し合いのもと、効果的な節税対策を行うためにも、決算期が繁忙期と重なっている場合はいち早く決算期の変更を検討することを強くお勧めします。
これで以上です。このように法人の節税対策には実に様々なものがあって、それぞれにいくつかの要件が存在するんです。
キャッシュの流出が伴うものもそうでないものもあったもんね!
うん。手軽にやろうと思っても、保険とか金額の設定が必要なものも多いから、難しいね。
そうですね、手軽なものはかなり限られると思います。
やはり大切なことは、会社にとって必要な節税対策を見極めることです。会社の現在から将来のキャッシュフローを把握する必要がありますし、満たすべき要件もしっかりと把握しておかなければなりませんね。
考えることたくさんだね。
はい。でもこれらを疎かにしてしまうと何もしない場合より多くのキャッシュが会社から出て行ってしまうリスクもあるので大変危険ですよ!
そうだよね。やっぱり会社にとって必要な「良い節税」を正しく行うためには税理士に相談するのが一番かもね。
はい。節税対策は、上に挙げたような方法を取捨選択する作業がもっとも重要なポイントになります。
我々スタートラインの税理士なら、節税へのアドバイスもきめ細かく行いますよ!
やっぱり困ったらすぐ税理士さんに相談だね!
うん!教えてくれてありがとう!
これで5つですね。